時々KA-KU奈良店に来られるHさんは
とてもさりげなく、そして素敵に
洋服を着こなしていらっしゃいます。
お洒落な人の多くがそうであるように、
Hさんもまた、持ち物に対しても
鋭い審美眼をお持ちです。


愛用されているボールペンは
ファーバーカステル伯爵コレクションの
クラシックコレクションのペルナンブコ。
万年筆はラミーのラミー2000。
どちらも使用歴は1年半。
決して長くはない時間ですが、
新しいものと比べると
どれほど愛用されているかは一目瞭然。
経年変化でボールペンはより濃い色に、
万年筆は磨きをかけたような光沢が。
道具を大切にするということは
丁寧に使いこなすことなのだと
Hさんから教わりました。
写真はどちらも上が新品、下がHさん私物です。
Hさんのご厚意で撮影させていただきました。
ありがとうございます。
エッセイは多かれ少なかれ、
その人の本質が出るものだと私は思っていて、
エッセイがおもしろければ
書き手もきっと魅力的、と単純に考えています。

『ないものねだり』は雑誌ananに掲載された
女優・中谷美紀のエッセイ集。
彼女が20代後半に書いたものです。
28歳にして撮影現場で
子役に「オバサン」と呼ばれ、
健康管理のために赤い腹巻をし、
「最近ブスねぇ」とオカマに整形を
すすめられたかと思えば、
空港で人違いを訂正するのが面倒だからと
差し出された色紙にそれなりに
「柴咲コウ」と書いてしまう。
それでも「女らしさが欠如している」自分を
変えるべく、自己鍛錬を欠かさない。
中谷美紀ってこんな人なんだ!と
様々な発見をしながら、
どんどん読み進められる愉快な一冊です。
幻冬舎文庫より刊行
萬年筆の書き味については
いろいろ意見があるけれども、
どんなものでも使い慣れることが
肝心である。
(串田孫一『文房具56話』より)
1809年、イギリスの
フレデリック・バーソロミュー・フォルシュが
金属製の軸内に
インクを貯蔵できる筆記具を考案し、
特許を取ったことから
9月23日は「万年筆の日」です。
それから200年以上経った今も
万年筆は私たちの心を
とらえて離しません。

KA-KU奈良店では
日本はもちろん世界の万年筆を
取り揃えています。
書き味もデザインもいろいろある中から
どう選ぶか悩んでしまうけれど、
何を重視するかは、あなたの自由。
(ちなみに私は、まずデザイン。そして書き味)
「使い慣れる」ためのお気に入りポイント、
見つけるお手伝い、いたします。
あなたの好みを聞かせてください。
写真の万年筆はスタッフ私物です。